除草剤についてAbout herbicide

除草剤とは

除草剤は農薬の一種です。害虫を防除する殺虫剤、作物の病原菌を防除し作物を病害から守る殺菌剤などと同じように、作物の生育を妨害し収穫量や品質を低下させる雑草や、人間の生活の妨害となる雑草を防除する薬剤が除草剤です。植物を殺すことを目的にした薬剤ですから、多くの除草剤は動物や病原菌に対する作用はあまりありません。

水稲用除草剤

1950年に普及がはじまった2,4-D以来多くの薬剤が開発されました。水稲用除草剤の開発の歴史は次々に現れる新しい雑草の対策と、省力化の追求でした。その結果、ほとんどの草種を一回の散布で防除できる一発処理剤、軽量化された1キロ粒剤、投げ込むだけのジャンボ剤などが開発されました。また、近年開発されている薬剤は低成分、高活性なため使用量も年々少なくなっています。

〈図〉除草剤利用による経済効果(水稲作)

〈図〉水稲用除草剤の剤型別推定使用面積の推移(植調協会 除草剤出荷量調査より)

ジャンボ剤の水面での拡散の様子

畑作、樹園地、農耕地周辺の除草剤

畑作物や野菜の雑草防除には、播種や定植時に散布する土壌処理剤や雑草生育期の茎葉処理剤が、また樹園地では下草の管理に土壌処理剤、茎葉処理剤が開発され使用されてきましたが、最近では、いずれも非選択性茎葉処理剤が多く使用されるようになりました。さらに、細粒剤や少水量散布法など利便性や省力性の高い薬剤や散布方法が開発されています。
一方、公園、堤とう、駐車場、道路、運動場、宅地、のり面などの雑草管理にも除草剤が利用され「緑地管理用除草剤」と呼ばれています。