ごあいさつ GREETING

 公益財団法人日本植物調節剤研究協会(以下、植調協会)は、除草剤や植物成長調整剤といった植物調節剤の利用開発の試験研究を促進し、その成果の普及を通じて、農作物の生産性の向上及び安定化と農作業の省力化につなげ、農業の持続的発展と環境保全や食の安全に寄与することを目的としています。

 植調協会は1964年(昭和39年)の設立以来、こうした目的を達成するために、植物調節剤の薬効薬害に関する実用性評価や適切な使用方法の策定、作物への残留量評価、土壌や水系環境への影響評価などの「検査・検定」事業、現在及び将来予想される重要課題の解決や検査・検定事業を効率的・効果的にすすめるための「研究開発」事業、植物調節剤の現場指導に資する技術確認圃、安全・適正に使用するための適正使用キャンペーン、研究会・講習会などの「普及啓発」事業に取り組んでまいりました。
なかでも、これらの事業を通じて、水田除草における初期、中・後期剤の体系処理から一発処理剤への移行、3キロ粒剤から散布労力を低減する1キロ粒剤の開発、さらにはジャンボ剤、フロアブル剤、少量拡散型粒剤への進化は、かつて多大な労力を要した除草作業が劇的に短縮され、コメ生産の農作業の省力化に大きく貢献しました。

 近年わが国では、農業従事者の高齢化が急速にすすみ、労働力不足が一段と深刻さを増すなかで、農地は集約化・大規模化に向かっています。また、グローバルにみると地球温暖化は沸騰化ともいわれるようになり、コロナ禍で一時停滞したヒトやモノの移動も以前にもまして活発化し、植物の生育は大きな影響を受け、外来雑草の侵入・蔓延リスクが増大しています。加えて、制度面では植物防疫法の一部改正により、有害動植物の定義の見直しで「草」が明文化され、雑草も輸入検疫や発生予察、防除の対象となる法的枠組みが整理されました。
このような環境変化も踏まえて植調協会では、今後の針路となる「航路2026」を掲げ、以下のことを強化していくこととしています。一つ目は総合防除計画の策定とその実践への協力と伴走、二つ目は生産面積の大宗を占めるようになる大規模経営での除草剤等による防除技術の開発、三つ目は植物成長調整剤や2025年に農林水産省がガイドラインを公表したバイオスティミュラントの活用、四つ目が農地以外の緑地管理分野での植物・植生管理の充実です。

 植調協会役職員は一丸となって、これまでに培い蓄積してきた知見やノウハウを生かし、共通の針路を常に意識し、関係者のみなさまのご支援、ご協力を得ながら、わが国農業の持続的発展と環境保全や食の安全の推進に貢献してまいります。あわせて、植調協会は2012年(平成24年)からは公益財団法人に移行しており、これまでにも増して公益性や透明性を確保した事業運営に努めてまいります。

 


理事長
住田弘一 Hirokazu Sumida