農薬は、あらかじめ品質、効果、安全性、残留性などが、基準によりチェックされ、問題ないと判断された薬剤が農林水産大臣の登録を受け、販売、流通している。つまり、農薬登録を受けないものは農薬取締法のうえから販売してはならないことになっており、水稲用除草剤も同様である。
水稲用除草剤として製品に貼付されているラベルには効果・薬害、残留性等から設定された使用基準や使用上の注意事項が記載されており、その内容を遵守して使用する必要がある。
近年、水稲用除草剤は1キロ粒剤に加えて、ジャンボ剤、フロアブル剤、少量拡散型粒剤など多くの省力散布剤が開発され、そのため散布方法が多様化している。薬剤の特長や散布方法を十分に把握し効率よく利用したい。特に散布時および散布後数日間の水管理には十分注意を払う必要がある。水口や水尻の止水をきちんと行なうことは安定した除草効果が得られるばかりでなく水田水系外への除草剤成分の流出を防止するためにも重要となる。
水稲用除草剤は田植時期に水田系外の河川、湖沼でのモニタリングにより検出されることがあるが、使用者が使用基準にしたがって適正使用・管理することにより水田以外への除草剤流出は未然に防げるものである。省力資材としての除草剤の有効活用はもちろんのこと、使用者として環境に配慮した使用および管理法に注意を払うことも重要な課題である。
以下に、各種散布方法別に適切な水管理方法を解説した。