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省力型水田除草剤“ジャンボ剤”



ジャンボ剤とは?
ジャンボ剤はこれからの稲作に求められている低コスト化の一助として植調協会が考案した新しいタイプの水田用除草剤です。


ジャンボ剤の特徴
ジャンボ剤の特徴は非常に多くありますが、特に以下の5つのことに優れています。

散布機不要、手で簡単に散布できる
ジャンボ剤は手で簡単に散布できることが特徴で、従来の背負い型動力散粒機など機械を使用せず、30a程度の水田では畦畔から水田内に投げ入れるだけの「らくらく散布」が可能です。散布時間は30aで4〜5分と非常に短時間です。

  ジャンボ剤の散布[Movie:Windows Media Player]
ジャンボ剤の拡散[Movie:Windows Media Player]
ジャンボ剤は吹き寄せられても大丈夫(水中では風上側に拡がる)[Movie:Windows Media Player]


ドリフトがなく、周辺作物に対しても安全
ジャンボ剤は、塊状またはパック状になっているため、散布時に圃場周辺に農薬成分が飛散することがなく「周囲の農作物に安全」です。

適量を適正に散布できる
ジャンボ剤は1アールにつき1個(製品によって投げ込む個数が異なるので注意する)など面積にあわせて投げ込む個数をかえることが簡単で、散布労力がほとんどかからないため、「適正な時期を逸することなく」思い立ったら直ぐに散布作業ができます。

不定形な圃場でも散布が簡単
ジャンボ剤は成分の拡散性に非常に優れているため「圃場の形を選ばず」、不成形な圃場でも面積相当量(個数)を投げ込むだけで簡単に雑草防除ができます。

稲作コストの低減化
ジャンボ剤の散布には大きな重い機械を必要としないため誰でも散布でき、機械の購入代金や機械のメンテナンス代が不要なため「コストが削減」できます。


ジャンボ剤の種類
ジャンボ剤は大きく分けて、(1)固形で1塊の塊状となっている塊型ジャンボと (2)粒剤が水溶性フィルムで包装されているパック型ジャンボの2つのタイプがあります。
また塊型ジャンボ、パック型ジャンボそれぞれにa.散布後水面に浮遊したまま拡散する浮遊タイプとb.散布後水中に沈下し、その後浮上したり水中で溶解し拡散する沈下タイプの2種類があるのです。下図参照

(1)塊型ジャンボ − a.浮遊タイプ
− b.沈下タイプ
(2)パック型ジャンボ − a.浮遊タイプ
− b.沈下タイプ


ジャンボ剤の使用方法
ジャンボ剤はこれまでの水田用除草剤と同じように初期剤、一発処理剤、中期剤など品揃えが豊富で、使用者が目的に応じて選択することができます。

有効な草種は?
ジャンボ剤は水田に発生する通常の雑草に有効な薬剤が準備されていますが、薬剤によって除草剤成分の組み合わせが様々で、使用者が圃場に発生する雑草に有効な薬剤を選ぶことができます。

  一年生雑草、多年生雑草

処理時期は?

  [初期ジャンボ剤]
初期除草剤は通常「土壌処理剤」と呼ばれるように、雑草の発生前からノビエ1.5葉期程度までに散布します。
雑草の発生量が多い水田や雑草の発生期間が長期におよぶような地域では、一発処理剤や中期剤との体系処理で総合防除が可能です。

  [一発処理剤]
一年生雑草ばかりでなく多年生雑草も発生する水田向けに開発されたのが「一発処理剤」です。一発処理剤はそれら草種の発生時期が比較的斉一で全ての草種の発生程度が処理適期の範囲内であれば1回の処理で十分な効果が得られる特徴があります。
一発処理剤の多くは田植え直後からノビエ2葉期までが適期ですが、最近ではノビエ2.5葉期や3葉期まで有効な薬剤も開発されています。ラベルをよく読んで確認しましょう。

  [中期剤]
初期除草剤と体系処理で使用する除草剤が「中期剤」です。中期剤は比較的高葉齢の雑草にも有効な成分が配合されており、1回目の処理で枯れ残した雑草を退治する場合や寒地・寒冷地など雑草の発生が長期におよぶ地域での総合防除に適しています。
中期剤の散布時期は、稲の生育が旺盛な時期であることから本来なら水田内に入り足で根を切断したくない時期で、特にジャンボ剤のように簡易に処理できる剤の開発が望まれました。
現在中期剤として登録されているジャンボ剤はノビエのみに有効なものですが、よく「SM剤」として知られている剤のジャンボ剤が現在開発中で登録が待たれます。

水管理は?
ジャンボ剤の散布は処理時の水深が重要です。処理日は田面水の水深5cm程度を目安とし、拡散がスムーズに行われるよう配慮しましょう。圃場の表面が凸凹していたり踵跡が水面に露出していると効果が不安定になりやすいので、その時は土壌表面が水中に没するように差し水し、散布時には水口、水尻はしっかり止めましょう。
散布後は従来の製剤と同様の水管理をしていただければ十分です。また、水管理は畦畔の管理と併せて考えましょう。畦畔にモグラ穴やザリガニの穴などが空いていて水が漏れだしている水田を見かけることがあります。散布した除草剤や肥料成分を捨てているのと同じです。最近では水田以外の環境に対して配慮が呼びかけられており、畦畔からの水漏れを防ぐことは除草効果を安定させる以外に環境に配慮する意味からとても重要なことと言えます。ご注意ください。


ジャンボ剤開発の歴史
ジャンボ剤は1990年9月に「手投げ用除草剤」として植調協会が発案し、多くの農薬会社で開発が始められました。開発当初植調協会では、この手投げ用除草剤のモデルを作成し散布テスト試験を実施しました。散布試験は男性10名、女性15名、計25名で行われ、手になじむ大きさ、形、重さや、投入距離など様々なことが試されました。そこで開発目標として標準的規格を以下のように設けました。(1)1個の重量50g程度、(2)形は塊状、(3)投げ込み個数は10aあたり20個程度、(4)散布後の拡散、展開が容易などです。そして「研究会」として開発研究が進められ、平成4年度から全国都道府県の農業試験場で適用性試験が検討され、平成6年9月28日に(1)クサトリージャンボ、(2)モゲトンジャンボの2剤が農薬登録されました。
その後、各社からジャンボ剤が開発され現在では30種類38薬剤の農薬登録があります。登録ジャンボ剤は初期剤、一年生持続型除草剤、一発処理剤など処理時期や使用方法別に多様な種類が用意されており、現在ではかねてから要望の高かった中期ジャンボ剤の開発が進められています。また、当初製剤開発が難しいとされていた浮遊・塊型ジャンボ剤の開発も始まり今後の普及が期待されています。
 
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